お休み処大平さんに助けていただく
久しぶりに大平街道を往復したのだが、南木曽からの登り返しで強烈なハンガーノックに襲われた。
国道256号線から3kmほど上ったあたりからだるさを感じはじめ、光視症状が現れ、視界中央のほとんど白んでみえるようになった。
それでも何とか進んだが、そろそろ木曽見茶屋というところで脚が止まりそうになる。
ようやく木曽見茶屋に着き、ベンチで回復を待った。
残念ながら、木曽見茶屋は昨年から営業を休止している。
ここで補給ができれば、それほど困ることはなかったのだが。
いくらか楽になったので、また走り出した。
ところが、1kmも走らぬうちに自転車にまたがっていることすらつらくなり、下車してガードレールに自転車を立てかけ、道路の端へ仰向けに倒れ込んだ。
木曽峠までは1kmも無いのだが、どうしても先へ進めなかった。
実は、大平街道はほとんどの区間で携帯電話が通じない。みーちゃん氏に迎えをお願いすることもできない。
回復を待って自力で帰宅するしか、ヒッチハイクするしかない。
こんな状態は、このとき以来だ。
実は先月もひどいハンガーノックに襲われてはいるのだが、喬木村の県道で店は多いし携帯電話も通じるので困りはしなかった。
もっとも、補給してもすぐには回復せず、コミュニティセンターで仮眠してから帰宅した。
赤石峠と違い、週末の大平街道は10分に一台程度は車両が通る。
道端では落ち着いて休んではいられない。しかし、身体は思うように動かせない。
それでも、30分ほど横臥して休むことで、なんとか身体を動かせそうになってきた。
頑張って走り出す。6号カーブの表示を過ぎる。
3号カーブの表示が見えた。ピークまではあと少しだ。
木曽峠のトンネル(切り通しにコンクリート製の隧道を設けている)手前100mは斜度が少し急だ。
ここで、また身体が動かなくなってきた。
気力で登り切り、下りへ備える。しかし、こんな時は下りでも踏ん張れず、身体を支えられないものなのだ。
しかも、気温も下がっている。普段なら問題としない温度だが、これほど体調が悪いと風の冷たさが堪える。
クリートと両腕だけでは支えられそうもなく、両膝でトップチューブを挟み込んでなんとか身体を保持した。
光視症もひどくなり、わずか2kmの下りがひどい苦行となった。
そろそろ意識もやばいと思われる頃、大原屋手前の橋が見えた。
16時半。お休み処大平の桜井さんがいらっしゃった。「なにか食べさせてください」。
一昨年から営業をお休み中のところ申し訳けなかった。
お蕎麦ならできるとのことで、お願いした。
ジュースやバナナ、ジンギスカンまでご馳走してくださった。
今は予約のみ対応していて、今日も一件あったとのことだった。
体調が良くなれば、また通常営業を始めたいと仰っていた。
お話しも色々とうかがい、一時間ほどで復調した。感謝しきれぬほどありがたかった。
日没を過ぎたこともあり、支払いして辞去。ハンガーノックが嘘のように、飯田峠までの登りは快調だった。
帰宅後、補給食を持たずに出かけた軽率さを、みーちゃん氏から散々叱られました。
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