7月14日に発行された『自転車人 12号』(山と渓谷社刊ムック誌)へ記事と写真を提供した。
17日の木曜日に見本誌が届いたので、最終校正用に送られてきたPDFの校了ページ以来はじめて内容を確認することができた。
提供した記事は、「この夏走りたい信州ツーリングガイド」の南信エリア紹介文と「秋葉街道~しらびそ峠~下栗の里絶景ルート」の文章すべて。
提供した写真は、P64左下の「中央アルプスと伊那谷」、P67の南信エリアの3枚の写真「TOJコースから望む飯田市街」、「陣馬形山山頂からの眺望」、「東山道神坂峠から伊那山地を望む」、それにP77のコース紹介用7枚。以上の計11枚。
フルカラーページでないのが残念ってほど綺麗な写真ばかりを集めたつもり。
ブレアサイクリングの山崎店長のご仲介で当方が寄稿した。
ありがとうございました。
コースは「秋葉街道~しらびそ峠~下栗の里絶景ルート」と「大平街道~木曽路妻籠・馬籠~東山道神坂峠」の2案を紹介して、「しらびそ峠」が選ばれた訳だが、見本誌をいただいて吃驚!巻頭特集でいきなり「秋葉街道」で、かなりかぶってた。
まぁ、それだけ素晴らしいコースなのです。
さて、紙面の都合でお伝えできなかった情報も多い。
この場にて補足。
とにかく、山中は人家どころか車の通りも疎らです。
トラブルはすべて、サイクリスト自身で対処せざるを得ないのです。
尚、公共交通機関は路線バスが上村上町周辺からJR飯田線の飯田駅と平岡駅方面へ、大鹿村から伊那大島駅方面へとありますが、便数も僅少かつ自転車の持ち込みをさせてもらえません。
起こりがちなトラブルは、タイヤのパンク。
南信州の山間は法面から剥がれ落ちた転石が多く、小石は角張っている。そんな石を踏んでしまうと、タイヤチューブにピンホールを穿つような生やさしいパンクではなく、ナイフで切ったようにタイヤごとチューブが切れて、いわゆるカットパンクが起こる。
カットパンクしてしまったら、チューブの補修はまず不可能。予備チューブは必須だ。
また、タイヤの穴も塞がないと、チューブがそこからはみ出てパンクしてしまう。タイヤパッチ(パークツールのタイヤブート等)という商品や、古タイヤを短冊状に切ったお手製のタイヤパッチも携行を推奨する。
ケブラービートの折り畳み可能なタイヤなら、予備タイヤを携行することができる。
以下、箇条書きにて。
1.タイヤのパンクに対してセルフリカバリー可能な装備を携行する。
・携帯用空気入れ
・タイヤレバー
・チューブ用パッチ(冬季以外はイージーパッチでOK)
・予備のタイヤチューブ
・カットパンクリカバリー用タイヤパッチ(布ガムテープでも代用可)
・携帯工具(基本サイズのアーレンキーとプラス・マイナスドライバー)
2.幅員が狭い
国道といえども、山中は道幅が狭いことも多い。
普通乗用車と離合するのに、自転車を法面へ寄せる必要があるほど狭い箇所もある。
交通量が少ないからといって、対向車を忘れて走ることのないようにしよう。
3.安全装備は必須
厳しい坂道が続く山深いルートなため、自動車のドライバーはそんなところを自転車で走る酔狂な人間がいることを想定していない。
安全な靴、グローブ、そしてヘルメットの着用を強く薦めたい。
また、トンネルなどは照明が少ない。日中のサイクリングでも前照灯と尾灯は必須だ。
4.水とスポーツドリンク
清流は多く水の確保はそれほど難しくない。しかし、その水は安全かと問われれば、体調や個人差によるとしか…。
真夏でも涼しいルートを紹介したつもりだが、登坂での消耗は尋常じゃないと思われる。
最低でも500ml超のボトル2本に水とスポーツドリンクをそれぞれに入れて携行し、補給食も充分持ってサイクリングを楽しんで欲しい。
5.天気予報を確認
事前にインターネットの天気予報サービスでピンポイント予報を確認し、荒天を避けて欲しい。
山の天気は変わりやすいことに注意。
6.携帯電話
エリア外の多いコースだが、auは比較的繋がりやすい。しかし、ソフトバンクは絶望的。
しらびそ高原のハイランドしらびそロビーに無線式の公衆電話はある。
ちなみに、ハイランドしらびその食堂営業時間は10時~15時。ティーサーバー、ウォーターサーバーあり。
7.下り坂は特に注意
林道区間は特にガードレールがなかったり、横断側溝のグレーチングに隙間があったり、それでいて急坂と、下りは危険が一杯。
ブレーキを多用する。ブレーキシューは充分か?ブレーキワイヤーに劣化はないか?は、最低限チェックしてからコースに臨んで欲しい。
また、ブレーキの摩擦熱でリムが加熱し、リムテープが融解してニップルホールが露出してしまいチューブを傷つけてパンクといったことも起こり得る。
特にリムが加熱しやすい小径車は融点の高いリムテープを試すなど、リムの加熱によるパンクを回避する装備を考慮して欲しい。
尚、チューブレスタイヤに対応したホイールならニップルホールが無いのでリムテープ不要だ。リムの加熱によるパンクリスクも無い。
8.スズメバチ
無闇に藪へ入ったりしないこと。
マムシは少ないが、スズメバチなどの蜂には注意して欲しい。
刺されてしまったら、安全な場所まで逃げてから毒を吸いだして。ポイズンリムーバーという携帯用専用器具もある。ファーストエイドキットと一緒に携行することをお薦めしたい。
以上、ロングライドに臨む最低限の注意事項として補足した。