昨夕のことになるが、娘達が見ているテレビ番組「おかあさんといっしょ」をふと見たら、歌のお兄さんが見覚えのある赤いTシャツを着ていた。
先月、友達が案内してくれると言うので、渋谷のNHK放送センターへ出かけた。
その時収録されていたものだと気付いた。
「おかあさんといっしょ」は、月曜~水曜の午後に、1日2回録りで6日分の収録が行われるとの事。
変更はあるだろうが、その日は13時30分から水曜放送分、16時30分から木曜放送分を収録していた。
大河のスタジオでは坂本龍馬襲撃シーンの撮影中で、江口洋介ファンと思われる団体がいて、その日は平日ながら大賑わい。
天花の方は撮影終了の打ち上げが終わって、その後片付け中。そのお隣のスタジオは、アテネオリンピックのスタジオ兼放送センターとして、多くの職員が詰めていた。
スタジオパークにある一般見学窓から収録を眺めながら、いろいろと紹介してもらってとても興味深かった。
特に興味深かったのは、生放送とほぼ同じ手順だろう方法で「おかあさんといっしょ」が収録されている点。
撮影のタイムテーブルは、29分の放送枠に対して完全リアルタイムで進行していた。
写真はスタジオパークの見学窓から、収録中を念写したもの。
丁度収録済みのビデオが流れている場面で、出演者全員でそのビデオを正面モニターで眺めているシーン。
右下でリラックスしてる赤いTシャツが、ぞう兄こと歌のお兄さんの今井ゆうぞうさん。この方、子供相手が初めてとあってか、未だにかまい方を知らないみたい。
カメラが止まってビデオが流れる時は、大抵こんな感じで、周りに子供が集まりません…。
でも、見学者に向かって何度も手を振ってくれたりと、一番愛想がよい印象。
この日は常連のファンが居なかったんですけどね。きっと、いつもこんな感じの好青年なんでしょう。
収録は103スタジオで、見学窓側右手に子供たちの集まるお馴染みのセットがスタジオの5分の1ほどを占めている。
奥のスペースはがらんとしていて、「デ・ポン!」やその場で収録する歌コーナーのスペースに使っていた。
左手中央にはナレーションブースと呼ばれる小屋があって、スプーの声はリアルタイムで声優が当てるので、ゴスロリっぽい格好の女性が出番になると其処へ引っ込んで、スプーの動きに合わせてセリフをアテレコしていた。
ちなみに、「いないいないばぁっ!」のワンワンや 「ひとりでできるもん!」のみぃる(イワトビペンギンがモデル)は、演者が自身の声をリアルタイムに当てているのだそうな。
番組中、ほとんどのセリフがアドリブだそうで、料理中にみぃるが見せるボケは、大抵がマジな勘違いやホントに知らなくって頓珍漢な会話になったものらしい。
さて、収録予定時間に出演者がスタジオ入りし、ちょっとして子供たちが入場。
スプーも登場して、子供たちの緊張を和らげる?みたいだけど、あまりの巨大さに泣き出す子供も(笑)。
番組最後の「あ・い・う」体操とかのリハーサルを、子供交えてやっていた。
収録予定時間のおよそ30分後には、オープニングアニメーションをテープで流し、カメラが回って撮影開始。
途切れなくスイッチされて収録が進んで行く。
モニター画面を見ている分には、放送を見ているのと一緒。
見学窓から見ると、モニター画面とスタジオ内の様子がシンクロしているので、モニターに映されているものは、ライブ映像であることがわかる。
番組内で流される短編アニメーション、着ぐるみ人形劇「ぐ~チョコランタン」 、「一畳マン」やほとんどの歌コーナーは別収録されていて、放送と全く同じタイムテーブルでモニター上に流される。
だから、モニター画面だけを見ていれば、放送されている「おかあさんといっしょ」を見ているのとなんら変わらない。
別収録済みのコーナーになると、出演者は子供たちと一緒にモニター前に座り込んで、流れるビデオを楽しむ。
その間に、子供たちが座っていた黄色の新幹線型ソファーをスタッフが片づけたり、奥のスペースに「デ・ポン!」で使うシートを敷いたりする。
その日の生?収録の歌コーナーは「ちょんまげマーチ」で、襖が開いてカットインするのに、平均台の様な敷居を置いて、スタッフが1人ずつ襖を持ち、両側へ引くという、極めて原始的なやり方をしていて面白かった。
歌のお兄さんお姉さんがちょんまげのズラを被り、最後に体操のお兄さんお姉さんが禿ズラと、なかなか楽しい演出も見られて楽しかったです。
「ぐ~チョコランタン」が流されている間に「デ・ポン!」の段取りがされて、ビデオが終わると「デ・ポン!」のカメラへすぐにスイッチ。
「デ・ポン!」が終わると、生活習慣コーナーのビデオにスイッチして、「デ・ポン!」で使ったシートなどはすぐに片付けられていた。
「あ・い・う」の前に流される動物の実写映像は、時間調整の為に用意されている素材。
スプーの登場では、黄色の照明が当たるんだよね(笑)。
番組最後、風船が落ちてくるけど、スタッフ数人が上から落としているという原始的な手法がなんとも。
この業界全般に、人海戦術が基本らしい。
制作費の厳しい民放は、こういったスタッフをバイトや外注でまかなっているんだろうね。
尚、スタジオのカメラは、すべてハイビジョン化されていた。
モニターもハイビジョンサイズで、放送ではクリッピングされる部分を示すラインの他に、4対3の従来テレビサイズを示すラインも表示されている。
案内してくださった方の話では、ほとんどハイビジョン撮影になっているのだそう。
但し、100%では無いとのこと。
収録後、放送センターの出口で出待ちすれば出演者に会えることがあると聞いたけど、時間がなかったので帰宅。
その節は、ホントお世話になりました。m(_._)m