ドリップコーヒー用にKrups KM7000
を使っている。
焙煎済みのコーヒー豆をミル(コーヒーグラインダー)に入れ、自動で豆を挽いてドリッパーに落とし、お湯が注がれるという全自動コーヒーメーカー。
デザインは全く異なるが、DeLonghi CMG310E-S
の改良版といった仕様の商品だ。
ホールと呼ばれる、挽いて粉になっていないコーヒー豆を使うことができる全自動ドリップコーヒーメーカーには、パナソニックのNC-A55P-K
やツインバードのCM-D456B
がある。
どちらの商品も、コーヒー豆を粉にするミルという部分がプロペラ式で、フードプロセッサーのように回転歯を使って豆を砕いている。
構造が単純なため掃除がしやすく、パナソニックの製品はお湯でミルの内部を自動洗浄する機能までついている。
反面、コーヒー粉の細かさが不揃いになる傾向があり味のばらつきがおきやすく、微粉の発生による雑味も出やすいと評価されている。
DeLonghi CMG310E-Sや、同型のCapresso CoffeeTEAM、そしてKRUPS KM7000は、臼式のミルが採用されている。
粉の細かさは外歯と内歯の間隔で決まるため、コーヒー粉の大きさが良く揃い、粉の量とお湯の量、そして注ぎ方が同じなら、コーヒーの味は常に豆の品質のみが支配的になる。同じ豆を使っていれば、つねに同じ味が楽しめる訳だ。
ところが、臼式は粉が濡れると詰まってしまうため、蒸気が発生する全自動コーヒーメーカーへ組み込みにくい。
DeLonghi CMG310E-Sでは、ミルが動いていないときは常にシャッターが閉じる構造にして、ドリッパーからの蒸気がミル内に入り込まないように作られている。
しかし、このシャッターは不完全なようで、蒸気が入り込んでミルが詰まるというのは、このモデルでよくあるトラブルらしい。
そのトラブル対策をしたものが、KRUPS KM7000だ。ミルのシャッターに加え、ドリッパー全体も蓋をして蒸気がミルへ入り込まないようにしている。
しかし、このモデルにも大きな欠点がある。
ミルで挽かれたコーヒーは、直接ドリッパーへ落とされず、シャッターが設けられた通路(挽き豆用シュート)へ押し出される。
そのため、挽き豆用シュートにコーヒー粉が残り、残った粉は次の抽出時に使われる。挽きたてコーヒーに、さっき挽いた豆が若干混じることとなる。
また、ミルに残った挽き残しの豆を完全に取り除くことが難しい。
そのため、いろいろな種類の豆を入れ替えて飲み比べるような使い方には向かない。
なお、この特徴はDeLonghi CMG310E-Sも同様。
KRUPS KM7000は日本未発売のため、米アマゾンから日本円で1万円ほどになっていたセール品を購入した。
米国仕様なので、電源は110~120Vで60Hzとなっている。
日本は100Vのため、電圧の違いは出力差で表れるが、この製品では問題と思える現象はなかった。
保温温度が高いので、むしろ少しくらい電圧が低い方が良いと思えるほどだ。
問題は周波数だろう。
内蔵の時計が電源周波数に同期している。そのため、50Hz地域では時計が遅れて使えない。
機能や仕様に関しては、DeLonghi CMG310E-Sとほぼ一緒だ。
ドリッパーやジャグ、活性炭フィルター、そしてミルは共通部品と思われる。
そのため、DeLonghi CMG310E-Sのオプションや消耗品は、KRUPS KM7000でも使用できるだろう。
操作方法やディスプレイの表示も、DeLonghi CMG310E-Sと同じと考えてよい。
注湯を間欠的に行なうアロマ機能も、デロンギと同様に4杯以下の設定でしか使用できない。
ペーパーフィルターは、一般的な台形のものが使用できる。
湯量はタンクに入れた水の量で決まるのも、デロンギと同様。
一般的なコーヒーメーカーと同じように、ウォータータンクに入っている水をすべて使い切るタイプだ。
コーヒー粉の量を濃度設定(Strength)ボタンで3段階に変更できるが、さらに濃い味が好みなら、設定したカップの数よりも少ない水をタンクへ入れる。また、薄いものが好みなら、水の量よりも少ないカップ数で設定すれば良い。
抽出時間は、4カップ分を間欠注湯するアロマ設定にすると、ミル作動から16分もかかる。
毎朝6時14分にタイマーで作動させ、6時半に朝の一杯。あとは、一日2回ほど手動でも淹れる。
ミル(グラインダー)の挽き目は5段階設定。
このコーヒーメーカーでは、こちらの熱風式電気焙煎機でハイロースト程度に自家焙煎した豆を使っている。
試行錯誤の結果、ミルの挽き目は細かな方を1として“2”、濃さは“ライト”、4杯抽出にして水量も適量で、間欠注湯を行う“アロマ”設定にしている。
これでできる量は、マグカップでなみなみ注いでちょうど2杯分だ。
豆の種類はコロンビア、ブラジル、タンザニアを容積2対1対1でブレンド。
ハイローストながら、意外と酸味は少なく雑味を抑えた甘みの強いコーヒーが入る。
わが家の水道水は、中央アルプスの中腹を源とする河川の標高1100メートルほどに取水口を持つ浄水場から供給されている。年間の水量変化が少なく、花崗岩帯なためか、大雨でも水が濁らない。
水道水の平均硬度は6mg/Lで、日本一の軟水。美味しい水なので、ボトルの水を買う必要を感じない。
このコーヒーメーカーを使うようになって、豆の焙煎具合も安定してきた。
コーヒーの淹れ方で味がぶれないのは、コーヒー好きの素人にはありがたい。