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2016.10.01

キャリーミーのチェーン引き交換とリヤアクセルシャフトの中空化

2006年に登場したキャリーミーは、毎年なんらかの仕様変更を経ている。

特に大きな仕様変更は2007年と2014年モデルで、2007年にはフロントフリーからリヤフリーへ、そして2014年はリヤブレーキがキャリパーブレーキからホイール一体のドラムブレーキへと変更された。

フロントフォークの形状変更やシートポスト径の大型化、リヤキャリアの省略のような比較的大きな仕様変更から、折り畳み時のロック機構の形状変更など、小さな改善も多い。


さて、キャリーミーは外装変速機の無いシングルドライブなので、経年使用に伴うチェーンの伸びは、トラックエンドに設けたチェーン引き(チェーンテンショナー)で相殺する。

2012年モデルまでのキャリーミーは、一般車で用いられるような鉄製のチェーン引きが使用されている。

キャリーミー2012年モデル以前用チェーン引き

写真の様に実用本位なパーツで、エンド金具の返しが深く、エンドから10mmでロックナットが当たって、それ以上は引けない。

今ちょうど引ける限界にあり、チェーン引きを交換または取り外すか、チェーンを新しいものへ交換するかしないといけないようだ。

ちなみに、2013年モデルからは、アルミ合金製のチェーン引きへ変更され、見栄えが良くなっただけでなく、チェーンの引き代が増えている。

キャリーミーのエンドは7.5mm厚もあるため、8mm厚エンドに対応した三ヶ島製作所のMKS CA-MX10チェーン引きへ交換される方が多い。

アーレンキー(六角レンチ)で操作でき、ボルトは外側に飛び出さないなど、確かに良くできた製品だが、同社の折り畳みペダルFD-7よりも流通価格は上の高級パーツだ。

チェーンの交換が妥当だろうな。
そう思っていたところ、ずいぶん前にZEROBIKEやHANDYBIKEの多段化用に買ったチェーン引きをストックから見つけた。

CHRONICDELIGHT 10mm用ハンガーテンショナー

ワゴンセールだったのか、複数個ある。
ディレーラーハンガー部分を切断すれば、そのまま使えるのではなかろうか?

よく見ると、エンド金具の受け部分が丸い。
キャリーミーのエンド後端は垂直に落とされているので、受け面をヤスリで平らに加工する必要もある。

存在感のあるサイズなので、加工するにしても丁寧に仕上げなければ気になって仕方ないだろう。
しかし、工具をそろえる予算は無い。
金鋸と100円ショップの平ヤスリで加工するとして、綺麗にできるだろうか?時間を掛けずにちゃっちゃと済ませたいものだが。

検討の結果、適当な加工をしても目立たないように、エンドの内側へ取り付けることにした。

そして同時に、後輪のアクセルシャフトを中空軸へ交換し、前輪と同じようにアーレンキー(六角レンチ)で脱着できる構造へ改造する。


今までは気にしていなかったが、キャリーミーの後輪のアクセルシャフト径は9mmで、ロックナットはM9となっている。

ナット留めの後輪アクセルシャフトは10mm径が一般的なのだ。

また、オーバーロックナット寸法(O.L.D)を測ってみたところ95mmで、エンドの肉厚は7.5mmある。

つまり、全体で110mmということで、スポーツバイク用の前輪用ハブの中空アクセルシャフト(直径9mm、長さ108mm M9ネジ)を移植できそうだ。

キャリーミーのリヤホイールと26インチMTBフロントホイール

物置に壊れたままの古いMTBが放置されていることを思い出し、その前輪ホイールから中空アクセルシャフトを取り外して利用した。

キャリーミーの後輪ホイール、MTBの前輪ホイール共に、アクセルロックナットや玉押しナットをハブスパナやモンキーレンチで外してシャフトを取り出し、入れ替えるだけの作業だ。

ディレーラーハンガー一体のチェーン引きは、金鋸でハンガー部を切断してヤスリがけした。

エンド金具は、エンドに当たる面をヤスリで平らに加工した。

アクセルシャフト(後輪軸)が中空シャフト化されたキャリーミーのリヤホイール(後輪)

キャリーミーのリヤホイールは、アクセルシャフトに対してホイールとフリーホイールコグの位置決めに5mm厚のロックナットを4枚、2mm厚のワッシャーを4枚使用している。

チェーン引きの厚みが5mmなので、取り敢えずロックナットを2個外して辻褄を合わせた。

現在、3mm厚のロックナットと1.5mm厚のM9用ワッシャーを手配中なので、手元に届き次第、3mm厚ロックナット4枚に1.5mm厚ワッシャー4枚の構成へ変える。

ホイールロックシャフトも手持ちがあったので流用した。
キャリーミーの前輪ホイールロックシャフトの六角穴は4mmに対し、手持ちは5mmというのが残念だが、改めて購入する必要もないだろう。


急な思いつき、しかも、あり合わせのパーツを使って仕上げた割りには上手に仕上がった。


使用したチェーン引きは秀逸な作りで、先端が正ネジ、根本がワンサイズ大きな逆ネジとなっている。

正ネジでリヤアクセルを引き、ホイールロックシャフトで後輪を固定した後は、逆ネジ部が回り止めの役割を果たす。

弛み止めのナイロンなどが入っていないため、ネジの締め付けや操作が軽いので指先で回すことが出来る。

また、キャリーミーのエンドもチェーン引きも加工精度が高く、取り付けもエンドの内側からぴったりと入れているため、リヤアクセルが傾くことなくスムースに前後する。

見かけだけでなく、使い勝手もずいぶん良くなったようだ。


アクセルシャフトの中空化で、クイックリリースタイプのホイールロックシャフトも使えるようになった。

ホイール径がとても小さいので、クイックレバーは邪魔になりそうだ。
前輪は軸長が特殊なので、切断とタッピングが必要だ。

アルミボディ、シールドベアリングのヘッドパーツの導入、そして椿本製チェーンと併せて、今後の課題としたい。

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