
ホームサーバーへ音楽データを置き、バッテリー駆動の中華タブレットで再生させて、低消費な中華デジタルアンプで増幅。
旧いテクニクスの同軸2ウェイスピーカーで聴くという構成へ、オーディオセットを刷新した。
刷新と言うよりは、ここ10年近く活用していなかったオーディオセットの復活に等しい。
KT88級の球を4つも使うようなパワーアンプや、50Wを純A級で動作させるようなプリメインアンプに比べても引けを取らない音なのに、消費電力は3W程度でしかない。
純A級アンプのような実消費150Wから、わずか3Wのアンプへと代わり、音楽を鳴らすことに掛かる電力は50分の1にまで低減した。
せっかくだから、50倍聴いてやろう(笑)
だからといって、いつも同じソースもつまらない。手持ちは80年代から90年代の洋楽と日本のフォークソングが多い。
年の功でジャズやクラシックと変遷したいものだが、最近はJポップやアニソンをインターネットラジオからエアチェックして聴いている。
学生時代は、NHK-FMからカセットテープへエアチェックしたものだ。
放送される音楽を録音することをエアチェックと呼んで、週間FMやFM-fan、FMレコパル、FMステーションなどの週間専門誌もあった。
よくエアチェックした番組は、NHK-FMのサウンド・オブ・ポップス。
45分の番組内で、一枚のアルバムをまるまる掛けるのが売りだった。入りきらない末尾の曲はフェードアウトされる。
12インチ径のレコードサイズから、溝の細さと回転数で、自ずとレコード片面の収録時間が決まる。
おおよそ片面30分、両面で1時間な訳で、その制約の中で、ミュージックアルバムは片面20分から30分、両面で40分から50分程度のアルバムが多いようだ。
ちなみに、音楽CDの収録時間は、フィリップスから意見を求められたカラヤンが「ベートーベンの第九が収録できるように」と要望したものに依るとの説を信じていたが、ソニーの大賀典雄さんが否定されている。
実際には、カセットテープの外形が内接する直径11.5センチを主張したフィリップスと、直径12センチを主張したソニーとが対立した際に、ソニーが多くのクラシック楽曲を調べた結果、直径11.5センチ(収録時間60分)では1枚に入りきらない楽曲が多く、74分収録の直径12センチディスクならばほとんどの演奏が一枚で収まることが分かり、フィリップスが理解を示したことに依るそうだ。
尚、実際には80分まで収録されたCDアルバムが存在し、記録式CDメディアにおいては74分(650MB)収録から80分(700MB)収録の製品が主流なのは周知の通り。
閑話休題。
サウンド・オブ・ポップスをエアチェックしたテープは、レンタルしたLPレコードをダビングしたテープ同様にレーベル管理してよく聴いていた。
今でも納戸を探せば残っていると思う。
ほかには、クロスオーバー・イレヴンやリクエストアワーでエアチェックすることが多かった。
それから、放送ドラマの「ふたりの部屋」かな。
今更残念に思うのは、クロスオーバー・イレヴンのナレーションをカットして録音していたこと。苦労してカット編集しなくても、ナレーション残しておけば良かった。
「ふたりの部屋」は新井素子さん原作ものが大好きで、すべてを網羅しているわけではないけど、それらは大事にとってある。
インターネットを通じて、エアチェックテープを貸していただいたこともあった。
そんなエアチェックライフは、専門週刊誌の隆盛を見ても分かるように、多くの人が同じように楽しんでいた。
バブル崩壊から20年、若者の可分所得は年々少なくなっている。
インターネットが普及して15年以上が経つ。携帯電話の普及も同様か。
携帯通信とその付帯サービスに割く可分所得を思うと、自動車やオーディオセットなどへ投資する余裕がある若者はかなり少数派だろう。
マーケットが大きく様変わりする訳だ。
あたらしい音楽タイトルをエアチェックで増やしてみよう。
インターネットに繋がったパソコンで、インターネットラジオに流れる音楽を録音する。
ありがたいことに、カセットテープやデッキは不要で、視聴ソフトに録音機能が備わっている。
自動でMP3化して録音し、タグも自動で入れてくれる。録音したファイルを、仕分けソフトでサーバーへ整理して置けば、あとはアンドロイドタブレットで好きなときに好みの曲を聴くことができる。
インターネットラジオはジャンル別の放送が普通だから、好きな放送局を四六時中録音して、後から録音したデータを整理すれば良い。
ノートパソコンでエアチェックすれば電力も大していらないし、発熱事故の心配も、騒音も少ない。
そんな方法で、インターネットラジオから気になるジャンルの音楽を得るようなった。