Lateral Pull (側面引き) Uブレーキ エアロタイプ(TT用)
Tektro R725 TTブレーキの最新バージョンを譲り受けた。
アーチサイズは39mm~49mm。重量はフロント用が179g、リヤ用は161gとなっている。
OVAL A700 TTブレーキキャリパーとして、2004年ごろに販売されていた側面引きUブレーキの改良版だ。
OVAL A700ならびに、当時のR725は、ケーブルの引き出し方向が決まっていた。
改良版では、フレームや取り付け方向に合わせて、左右どちらからでもケーブルを引き出せるようになっている。
また、カンパニョーロのタイムトライアルUブレーキ Lateral PullもR725のOEMモデルと思われる。
空力特性の向上が求められるタイムトライアルレース(TT)用バイクにおいて、ブレーキの出っ張りにより発生する乱流を少しでも抑えるため、フロントフォークの裏やチェーンステーに取り付けられるよう、Uブレーキを横引きにしてロープロファイル(全高が小さい)なデザインを実現している。
基本は昔ながらのUブレーキで、比率が大きな梃子やカムによる倍力機構はない。
そのため、一般的なダブルピポッドのキャリパーブレーキと同じ制動力を必要とするなら、より力強くブレーキレバーを握りこむ必要がある。
リターンスプリングもかなり強力。利きの悪さも重なって、頻繁にブレーキを使うと手が疲れるだろう。
TTレースではブレーキをあまり使用しないためか、制動性能やブレーキ使用における疲労度などは影響がないのかも知れない。
TTバイクに限らず、リカンベントバイクやトライクなどでロープロファイルのキャリパーブレーキが必要な場合、Tektro R725が採用されるケースも多い。
当方は、キャリーミーのブレーキとして興味を持っていた。
数年前に池袋チャーリーでT925がワゴンセールされていた時には、よほど購入を検討したのだが、ブレーキとしての性能は低いことを知っていたので見送った。
今回、縁あってR725の前後セットが手元に来た。早速キャリーミーへインストールを試みた。
リアブレーキはロードブレーキ用の6mmボルト用アルミカラーと、純正ブレーキを固定しているナイロンロックナットで簡単に取り付けできる。
しかし、フロントブレーキは、取り付けボルトの穴を開け直す必要がありそうだ。
むしろ、リア用のR725をフロントにも使って、枕頭ナットの長いもので取り付けてしまった方がよさそうだ。
もっとも、枕頭ナットを通すには、内径6mmで作られているキャリーミーのブレーキ取り付け穴の一部を、内径8mmへ拡大する必要がある。
ブレーキ取り付けボルトを長いものへ変えた方が改造部位は少なくて済むが、ボルトの頭が小判型と特種形状のため、より工夫が必要になりそうだ。
リアブレーキだけ使おうかとも思ったが、シルバーフレームに黒いブレーキをリアだけというのは見栄えがイマイチ。
しかも、既知の通りブレーキの引きはとても重いし、利きも良くならない。
Tektro R725をキャリーミーで使うのは取りやめることにした。
結局、固定ギヤにしているカレラのロールへインストールした。
R725付属パーツだけでインストール出来ると思っていたが、フロントブレーキはロング枕頭ナットと6mmの六角穴付き丸小ネジ、そして内径6mを8mmへ拡大した3mm厚のアルミカラーを使用した。
ブレーキケーブルの引き出しも、左からに改めている。
リアブレーキは、付属のギザ付きアルミカラーを3mm厚のアルミカラーへ交換して取り付けた。
R725のスプリングが強いので、リアブレーキレバーが戻りきらないということは完全に無くなった。
それ以外は、見栄えが変わっただけで、使い勝手は悪くなっている。
ブレーキシューは付属のものを使用。結構ブレーキ鳴きがある。馴染めば静かになるだろうか(苦笑)。
それにしても、リアホイールに内装変速機が入っている上、荷台まで付けている。
普段はサイドパニアバッグを引っかけていることもあって、後ろの荷重がなかなか抜けない。
ハンドル形状も前荷重しにくくて、スキッドはやりにくい。
その割りに、前傾もきつい。ドロップハンドルへ戻そうかな。
まだまだ課題が残っているが、Carrera Roll はこれにて完成としたい。
| 固定リンク