金環日食観察の準備
来週月曜日、5月21日の朝に金環日蝕が当地でも観察できます。
今のところ、天気予報は曇り。うす曇りなら、日食グラスなしに太陽が欠けてゆく様子を見ることができます。
子供たちとみーちゃん氏の分の日食グラスは、すでに用意しました。
今まで見たことがある部分日食とは違い、月の中央部が太陽の中央部に重なる金環日食です。
観察時間も長いので、遮光だけでなく、赤外線の透過も少ない特殊フィルム製のものにしました。
せっかくだから、写真も残したいと思います。
マルミのND100000が比較的安価だったので、デジタル一眼レフのキットレンズに付けて撮影します。
どうせなら自動追尾させて、インターバル機能で連続撮影しようということで、ポータブル赤道儀(ポタ赤)も準備しています。
ポタ赤は、如意設計工房さんのHiglasi-1Aにしました。
当初はVixenのポラリエにするつもりでしたが、Higlasi-1Aの方が小型軽量で高精度です。
また、ニコンやキャノンなど電子レリーズコネクターを持つモデル用に、シャッター時間と撮影回数を制御する、いわゆるインターバル撮影機能も提供しています。
しかも、天体望遠鏡にもあまり馴染みがなかった個人の方が、美しい星野写真を見て、同じように撮りたいとの一念で開発をはじめ、量産品にまでこぎつけられたという背景が素敵です。
製品は至極まっとうな構成とデザインに落ち着いていますが、アプローチはとても合理的で洗練されたものでした。
実際に星野写真を趣味にされている方の意見も反映されているので、使い勝手はかなり良いと思います。
さらに奮っているのは、最近流行りの微速度撮影用回転テーブルとしても使用できるように、回転速度の変速設定を無償で指定できることです。
インターバル撮影制御機能と組み合わせて、星空だけでなく、風景などのタイムラプス撮影へ応用可能です。
撮影フィールドまでは、自転車で移動します。機材はより小さく、より軽いにこしたことはありません。
Higlasi-1A用に三脚が必要なため、剛性の割に軽量なカーボン三脚を用意しました。
選択したのは、ハクバ写真産業のHG-503MXです。
この三脚は、Velbon Carmagne G5300IIのOEMモデル。脚径25mm、3段の共回り防止機能付きドライカーボンレッグにマグネシウムダイキャストボディという、中型カメラ用三脚です。
ポタ赤での使用では脚を縮めたまま使うため、3段伸縮で十分です。エレベーターパイプが分割式なのも、軽量化に役立ちます。
HG-503MXは、オリジナルモデルに対してウレタンレッグプロテクターが追加され、さらに専用ケースとストーンバッグも付属するお買い得モデル。しかも、流通在庫のみなためか、処分セール並みのプライスになっています。
付属の3ウェイ雲台は使いません。
直接Higlasi-1Aを三脚に固定するつもりでしたが、極軸合わせに微動装置があると便利だろうと、ずいぶん昔に買ったビクセンの微動雲台を介して取り付ける予定です。
Higlasi-1Aは木曜日ごろに到着予定。
使用予定だったSLIKの初代バル自由雲台が、Higlasi-1Aの搭載可能雲台直径をオーバーしているのに気付き相談したところ、真鍮でスペーサー作って同梱してくださることになりました。
こういった心配りも、とてもうれしく、助かります。如意設計工房さん、ありがとうございます。
待ちきれなくて、手元にある機材を組み合わせてみました。
ビクセンの微動雲台は、バル自由雲台と同じような大きさです。
少しガタが出ていたので、フリクションを固めに調整しなおしました。
アルミダイキャストボディで、ボルトの受けなどもすべて金属製。ノブは樹脂ですが、シャフトの止めネジの受けは金属製のナットが埋め込まれています。
バル自由雲台と同じく、末永く使える作りで、今も変わらず販売されています。
アストロスキャン程度の低倍率望遠鏡用としてなら、HG-503MXは二段伸ばして使っても十分な三脚です。
身長176cmでも、写真の状態で立ったままアイピースを覗くことができました。
とはいえ、今回の日食観察には、望遠鏡や双眼鏡は使いません。
対物レンズの前に、サンフィルターを用意する必要があります。
望遠鏡用のサンフィルターは、アストロソーラー太陽フィルターで自作するのが一番良さそうです。
まだ手配可能なようですので、もう少し考えましょう。6月6日に起こる「金星の太陽面通過」を観察するには、望遠鏡が要りそうですから。
なお、撮影結果は、民宿若松のブログでご紹介する予定です。
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