自転車のチェーンの歯飛び(ギヤ抜け)対策
先週末、シクロクロスバイクのK2 ENEMYのコンポーネントを9速化した。
既にFDもRDもクランクセットも9speed対応になっていたため、STIレバーとスプロケット、そしてチェーンを換えただけだった。
STIレバーとFD、そしてチェーンリングは65 ULTEGRAのトリプル。クランクのみFC-6603で、リヤディレーラーはXT、スプロケットは貰い物、そしてチェーンはKMCという構成。
チェーンのみ新品、RDは昨年末に新調したもの、スプロケットを除きその他パーツはALANで使っていたものだ。
粗方調整も済んで、土曜日には試走しながら細かなセッティングをする予定だった。しかし、チェーンが歯飛びしてしまい、走り出すことができなかった。
中古のスプロケットは自分で使っていた物ではない。摩耗が酷いのかも知れないと思い、ストックしてあった新品のXTRのスプロケットへ換えた。しかし、改善されなかった。
次にRDを疑う。使用していたXTのRDはスーパーロングケージのモデルで、それが適切では無いのかも知れないと考え、以前使っていたSORA RD-3300-GSへ9s用のプーリーを付けたものへ換えてみた。
しかし、なんら変化は無かった。Bテンションなどの調整をしても、改善されない。
そのままうっちゃっていたのだが、昨晩にふと12-25のスプロケットへ換えてみた。
すると、歯飛びが収まった。このスプロケットも貰い物の中古だ。何が違ったのだろうか?
そして原因はすぐに判明する。昨晩はフロントアウターで走り出していたのだ。
週末の組み替え作業や試走時は、フロントミドルのチェーンリングへギヤが入っていた。
試しにフロントミドルへ変速すると、途端に歯飛びが発生する。
フロントインナーではどうだろう?インナーへギヤを落としてみると、歯飛びは再び収まった。
土曜日にギヤ飛び対策のヒントをネット検索で得ようとしたが、見つけることができなかった。
キーワードを変えて今一度ネット検索したところ、チェーンを新品へ交換するとギヤ飛びが起こることがあるという記事を見つけた。
チェーンが伸びるとともにチェーンリングも摩耗して、歯のピッチが変わってしまうのが原因だそうだ。
理屈はわかるが、いままでこんな経験は無い。プロではないので3000km毎とはいかないが、チェーンリングの歯のピッチが変わってしまうほどチェーンを換えていないなんてことは無いと思う。
FC-6603に付属のミドルリングがストックしてあるから、それへ換えれば歯飛びは解消するだろう。しかし、1万キロも使っていないチェーンリングを資源ゴミにしてしまうのは惜しい。
取り敢えずミドルリングを外してみた。
FC-6503に付属のもので、アルミ合金製の42tギヤだ。インナーからのギヤチェンジをスムースにするため、複雑な造形となっている。
ダブル仕様のインナーギヤと異なり、チェーンを引っかけ上げるための爪も4箇所に鳩目留めされている。
爪は鋼鉄製。これが歯飛びの原因になっているように思える。
アウターリングにも爪がある。インナーリングには爪がない。
アウターリングの爪はダブル仕様のものと同じで、ピンが打ち込まれているだけだ。
トリプル仕様のミドルリングは、基本となるギヤとして使用頻度が高い。
さらに、数百キロの使用ではあったとは言え、8speedシステムで使っていた上に、泥の中シクロクロスレースを走っている。
短期間ではあっても、異常摩耗させてしまったのかも知れない。
思うに、4箇所の鋼鉄製のピンは、幅の広い8速のチェーンに合わせて摩耗したに違いない。
そこへ幅の狭い9速のチェーンを使ったため、ピンが邪魔をしてギヤのピッチが変わった様な状態になっているのではなかろうか?
そこで、円錐形のダイヤモンドビットを使い、ルーターでミドルリングの爪のチェーンが当たる箇所を少々削ってやることにした。
結果、走り出しやダンシングなどの大きな力を掛けない状況では、歯飛びすることがなくなった。
しかし、路面が荒れていたり、ダンシングをはじめ急にトルクが変わるような局面では歯飛びする。
それでも、歯飛びしてまったく使い物にならなかった状態からは見違えるようだ。
この程度の歯飛びなら、使用していく内にチェーンと馴染んで改善されてしまうように思われる。
と言うことで、しばらく練習に使ってみて様子を見ることにする。
90kmほど乗ってみたが、ミドルギヤへ入っているときだけ、ぐぉんぐぉんというギヤ鳴りが聞こえてくる。しかし、後半になって、徐々に音が静かになっているように感じた。
ちなみに、インナーからの変速性能は、特段変わっていないように思われる。
300kmほど走っても歯飛び現象が消えないようなら、寿命と思ってストックのものへ換えることにしよう。
今月中には結論が出るだろう。
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