幻のたい焼き
白山町、大平街道の入口にあたる所、そこに一軒のたい焼き屋さんがある。
ほんのりと甘く、ほっこり炊かれた小豆餡が、尻尾の先まで詰まっている。薄い皮は、まるでお焼きの様。
お菓子と言うよりも、お昼代わりにいけちゃうぐらいに砂糖は控えめで、噛むほどに甘みを感じるパンみたいな鯛焼きだ。
幻と言うのは、いつ開店しているのか分からないから。
お店が開いていても、たい焼き屋さんだと知っていないと気付くこともない佇まい。
看板も幟もなく、屋号すら掲げられていない。
晩秋とは言え、よく晴れた日曜日の午後なのに、今日もそのお店は閉まっていた。
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