デフレとは言え・・・安すぎるレーザープリンター
年賀状印刷で旧式のレーザープリンターのトナー不足となった。
文面は写真紙ハガキでカラーインクジェットを使っている。こちらも、必要枚数をプリントアウトし終わったら、新調したカラーインクが残量無しになってしまった。
黒色インクは残っているのだから、モノクロ印刷だけでも出来ればいいのに、そんな機能は無いんだよね。
インクジェットプリンターも旧式だが、褪色性能以外は現在でも十分な性能なので使い続けている。
今回はカラー印刷前にモノクロ印刷を大量に行ったのが敗因。しかも、黒インク用ヘッドが目詰まりしてヘッドクリーニングを繰り返したものだから、虎の子のカラーインクまで無駄にしてしまった。
レーザープリンターのトナー代わりに手書きでも?って皆に提案したら、すげなく却下。
インクジェット用のカラーインクを買い増してレーザープリンター代わりに使うか、トナーを買おうかと悩んだが、価格と納期をチェックしていたら、リコーの業務用レーザープリンターが90%オフの消費税込み8385円って冗談みたいな値段で即納ってことだったので注文した。
リコーのレーザープリンターと言えば、イマジオの動圧空気軸受(アクティブ・エアベアリング)を採用した超高速ポリゴンミラーモーター(ポリゴンスキャナーモーター)を思い出す。
当初は23500rpm辺りだったと思うが、50000rpm辺りまでスペックアップされたようだ。
非接触軸受けがOA機器に採用されるようになったことに吃驚したものだが、その後すぐに磁性流体ベアリングがHDDスピンドルに使われるようになった。
しかし、現在では焼結含油軸受(オイルレスベアリング)の高性能化により、安価ながら耐久性も飛躍的に向上し、オイルミストの影響も改善されて、分速5万回転のスキャナーモーターの軸受けにも対応できるようになったという。
CPUの高クロック化、HDDやシリコンメモリの大容量化と低価格化のスピードを目の当たりにしてきたわけだから、メカトロニクスの高性能とコストダウンとのトレードオフもまた当然の成り行きだろう。
それにしても、リコーの業務用プリンターは常に最先端といった印象があった。そんなブランドのレーザープリンターが希望小売価格の1割、9千円にも満たない価格で販売されているのは、かなりショックでもある。
このプリンターのスタータートナーは、A4で3千枚。また、9万枚の印刷カウンターで指定の保守部品を交換してサービスリセットしないと使えない設計らしい。
今まで使っていたEPSON LP-900のスタータートナーもA4で3千枚だった。8年もったから、IPSiO SP4000も同程度は使えよう。
リサイクルトナーにして使い続けても、9万枚印刷するまでに1万2千枚用を6回も換えることになる。
その前に、何度目かのペーパーレスブームに呑まれるだろう(笑)。
今は消費を阻害するような省エネは巧妙に避けられているが、十数年程度のスパンでサービスに消費する形態へ代替され、ハードウェアは本格的にエネルギーへ還元する政策があたりまえとなる。
自給自足でさえ、贅沢と指弾される日がくるかも知れない。
良いものが安く買えるのは近視眼的にこそありがたいものだが、行く末を思うと憂鬱になる。
- 12月28日 追記 -
普段なら午前中の配達なのだが、梱包が大きいためか夕方に届いた。
本体サイズは、大きさも重量も、ちょうど17インチCRTモニターと同じくらいた。
昨今の家庭用プリンターとしては、大きすぎるかな。
USBプリンターサーバー機能を持つアイオーデータのNASに繋げ、クライアントはWindows 95からいろいろな印刷を行ってみた。
Win95はUnicodeの扱いが怪しいため、それ系のアプリでは文字化けがあるものの、通常使用ではなんら問題ない。
出力が速すぎるのに加え、カラーインクジェットと違って印刷プレビューがドライバーには用意されていないため、ちょっとしたミスやアプリケーションの誤作動で大量にミスプリントを生む可能性はあるものの、標準で使用する給紙トレイを手差しトレイに指定しておけばミスプリントも減るだろう。
ジョブの初期化ボタンがあるから、用紙不足で停止中にプリンターメモリを簡単にリセットできる。
ちなみに、手差しトレイと言っても家庭用プリンターの給紙トレーと性能は変わらない。普通紙で50枚ほどの連続給紙機能がある。
さらに数百枚格納できる給紙トレイを本体底部に持ち、ドライバーで出力先を自動振り分けしたり手動指定することができる。
FreeBSDなどで動作している家庭用NASのプリンターサーバーに繋いで使えるか心配だったが、多くの家庭用プリンター同様にあっさり繋ぐことができて拍子抜け。
写真印刷したハガキも、手差しトレイの自動給紙ですいすい高速印刷できるのも助かった。さすがは業務用だ。
ただし、排紙トレイはプリンター天井部にあり、一昔前のレーザープリンターの様に後方排紙させるバイパス機能は無い。
そのため、写真紙の普通紙面に印刷すると、用紙が盛大に反ってしまう。
カーボンを熱定着させる構造上、多層紙に反りが出るのは仕方ないが、オプションの両面印刷ユニットのための後方排紙バイパスがあると思うので、トレーを省いても後方排紙レバーは設置して欲しかった。
両面印刷ユニットのための機構をうまく工夫すれば、後方排紙させて反りを最小限にできるかもね。
その大きな筐体サイズ以外は、大満足の買い物になった。
トナーセーブ機能も2段階で実用十分。スタータートナーが無くなるのも、ずいぶんと先になりそうだ。
古いレーザープリンターは廃棄して、愛用していきたい。
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