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2009.07.07

朴葉寿司 (ほおばずし)

大平街道は緑が深く木々がトンネルとなって、通り雨程度ならあまり濡れることがない。
日射しもあまり届かないからとても涼しいけれど、濡れた路面は乾きにくい。

日曜日の昼下がり、アディクトでそれなりに心拍を上げて飯田峠を越えてみたが、大平宿以西はひどく路面が濡れていて、お休み処大平で遅い昼食をとって引き返した。

暗雲を警戒してお手軽なラーメンをたのんで食べていると、清内路からいらしたお客さんから手作りの朴葉寿司をごちそうになった。


朴葉は朴の木の葉で、とても葉が大きく、落ち葉になっても燃えにくいため、昔から食器として用いられてきたそうだ。
食材を大きな葉に盛ったり包んだりしたところから、包(ほお)の木が語源とも言われる。

先日、白川郷で朴葉味噌焼きを食べた。高山の水はミネラル分が多く味噌汁が美味しくできないため、代わりに具材を味噌に絡めて朴葉の上で焼いたものを朝食のおかずとしたのが由来なのだそうだ。

朴葉味噌で使う朴葉は器として使われるものだが、朴葉寿司は少し違う。

ちらし寿司を生の朴葉で包んだものが朴葉寿司。朴の葉には芳香があって、寿司にうつった香りも楽しめ、さらに殺菌効果があるとされている。

具材は様々で、酢飯に混ぜたり乗せたりと、集落や家庭によっても違いがあるそうだ。

朴葉の殺菌作用に関しては、有力な資料を見つけられなかった。
カビが発生し難い葉との記述があり、それなりの抗菌作用はあるのだろう。経験から導かれた古人の知恵は侮れない。
しかし、朴葉は器であって、酢飯の殺菌効果で保存が利いたとする解説もある。

いただいた朴葉寿司は、酢飯に具材をのせて朴の葉で包んだものだった。

シャケフレークやマリネなど、彩りも考えて作るのだけど、今日のは適当にあり合わせだから・・・。と、謙遜されていたが、とても綺麗で美味しいお寿司だ。

錦糸卵に蜂の子(クロスズメバチの幼虫)の煮付け、オキアミとシジミの佃煮、そして塩イカ。
郷土色豊かな具材は、かなりのご馳走でもある。

生の朴葉は鮮やかな黄緑色。ところが、寿司の周りが茶色に変色している。

茶色の変色は熱が加わったためで、酢飯が熱いうちに朴葉に盛るのが、本物の朴葉寿司といえる極意なのだそうだ。

朴葉に熱が加わって変色することで、朴の香りが寿司に遷るとされる。


尚、塩イカは、信州名物の保存食材。甲府の「アワビの煮貝」と同様なものだ。はるかに安価だが。

はらわたを抜いたスルメイカに粗塩を詰めて、塩漬けにした保存食品。
水で塩抜きして、薄切りにしたキュウリやミョウガと和えてさっぱりと食べるのが一般的だ。

あらかじめ皮を剥いた塩イカもあって、当地では季節を問わずスーパーでもお馴染みの食材。
最近では、都心のスーパーでも見かけるそうだ。

ちなみに、水揚げ地で製造され、長野県では作られていない。


今日は七夕。富士山稲荷の宵祭りに娘たちを連れていった。
彼女たちの興味は夜店ばかりで、頭上に開く花火にはなんら興味をしめさない。

ミズーリからの大学生やブラジル人など、なかなかに国際色も豊かなのだが、甚平姿でうろつく中高生女子には情けなくなってしまった。

もっとも、花火そっちのけで屋台を物色するわが家の娘たちも、五十歩百歩なのだけどね。蛙の子は蛙であって、鳶はなかなかに鷹を産めないものだな。

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