SCOTT ADDICT ファーストインプレッション
ポジションの確認と、シフターの微調整のため75kmほど試走した。
ホイールはアレーでいつも使っている練習用で、タイヤはミシュランPRO2レース25c。
先の写真のセッティングでは、ブラケットを掴んでの上りのダンシングに違和感があったので、ハンドル全体を少ししゃくってブラケットを立てた。
登りは確かに良い。しかし、軽快感はイマイチ。登りなのに加速するようなレスポンスを期待したのだけど、そういう乗り味じゃないようだ。
だが、気が付くと、今まで以上に重いギヤを踏んでいる。このフレームのリズムがあるのだろう。それを体得できれば、スピードアップと気持ちよさとのベクトルが一致するようになるのだろう。
乗り込まないと、上りの持ち味を出せないような特性を感じた。
登りよりも下りのスタビリティの高さ、そして平坦路での速度維持性能の高さに吃驚した。
ADDICTのヘッドチューブ外径は50mm。トップチューブの横幅も50mmある。
ダウンチューブは横幅55mmからトップチューブに向かって50mmとなる。
兎に角、フレームが太い。オーバーサイズなのに、ステムがやけに細く感じる。
このバイクと言うか、このクラスのバイクのフレームはカーボンモノコックで作られる場合がほとんどで、しかもカーボンプリプレグを使ったオートクレーブ製法で、最小限のエポキシ樹脂により高張力カーボン繊維を成形している。
カーボン強化プラスチックと揶揄される旧いカーボンフレームと違い、構造材の体積のほとんどがカーボン繊維の、所謂ドライカーボンになっている。
そのため、標準パイプのクロモリフレーム外径の倍はあるのに重量は半分。そして、捻れ剛性は格段に高い。
捻れに強いが、フレーム断面は扁平で肉厚も薄く、縦方向に潰れることで撓るのだろう。
そうして、大きな振幅の振動吸収性能を上げていると思われる。
あまりに下りが楽で、テクニックを除けば、タイヤの性能でコーナーリングスピードが決まってしまう感じ。
アレーやチタニオで使う集中力の60%で、同じ下りのタイムを出せるだろう。集中力を量る指標って何?(笑)って言われると困るけど。まぁ、感覚的な6割です。
フライフィッシャーさんのプリンスカーボンで感じた様な、まるで水面を滑る樟脳になった気分ってな驚きは無い。
LOOKのフレームで語られるような、「まるで絨毯の上を走っている様な」とか…。そんな詩的な表現も似合わない。
何かのインプレで、「最新ロードバイクのベンチマーク」ってな形容をしていたが、ADDICTに乗ると言い得て妙だと実感できる。
翻れば、成績向上を目的にするユーザー以外をつなぎ止める魅力に欠けるバイクと思える。
このバイクでサイクリングを重ね、楽しくヒルクライムできるまでになりたいものだ。
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