Carry-me (キャリーミー)小技集 その2
1.ブレーキ強化
Carry-meのブレーキは、サイドプルでシングルピポッドのアルミ製キャリパーブレーキだ。
このブレーキは精度がイマイチで効きは悪い。
純正のシューは極小径車のものとしては悪くないが、手元にあったシマノのアルテグラグレードのものへ換えている。
さて、ちょっとした改良で効きとタッチが良くなるので、ここで紹介する。
ブレーキのタッチが悪いのは、キャリパーの精度が悪く剛性も低いことも関係しているが、わが家のCarry-meの場合はアウター受けのガタが一番の原因だった。
アウター受けをブレーキキャリパーへ固定するボルト部のタップが足りず、しっかり締め付けてもガタが残っていた。
特にリアブレーキのブレーキキャリパーにあるアウター受けのガタが酷く、長いブレーキケーブルと相まって随分とスポンジーなブレーキタッチになっていた。
写真の赤の矢印部分にワッシャを一枚追加して、アウター受けのガタを無くしたところ、タッチがそこそこ改善してブレーキの効きも向上した。
尚、ブレーキキャリパーの精度が悪いので、キャリパーの調整もある程度シビアにやった方が良いと思われる。
緑の矢印部分の10mmダブルナットを調整することで、キャリパーの捻れを抑えるのだが、ナットを締めすぎるとブレーキがうまく解除しなくなる。
工具は10mmの薄口スパナと同10mmのスパナを各一本使用する。
いったん分解して摺動部にグリスを塗布すると良いのだが、ナットの調整だけでもより良い状態へ追い込むことができる。
また、キャリパーのセンタリングは、13mmの薄口スパナで青い矢印の部分を掴んで調整する。
15mmと13mmのコンビネーションタイプの薄口スパナが売っているので、1本持っていると重宝する。
2.ブレーキアウターの結束
ブレーキケーブルアウターは、前方へ大きくアーチさせて、フロントブレーキならびにメインチューブ前端下へ導かれている。
前後ブレーキケーブルアウターはスパイラルチューブで結束されているが、この構造がリアブレーキケーブルアウターとフロントフォークフックとが干渉しない肝でもある。
フロントブレーキケーブルアウターに対しリアブレーキのそれが下へずれると、左旋回時にフォーク肩後部に突き出たステンレス製のフックが引っ掛かって危険だ。
走行前にはリアブレーキケーブルアウターの状態も確認し、必要に応じてスパイラルチューブとブレーキアウターとの位置関係を調整してやる。
3.緩みやすいネジ
ダブルナットやナイロンナット以外はネジ止め剤を使って組まれている箇所が多いが、それでもネジが緩む。
写真はシートチューブとメインフレームとのピポッド部のボルト。
専用の中空貫通ボルトを右側から通し、左側からは画像の6角穴付きボルトで固定しているようだ。
これらボルトや座金はユニクロなようで、結構錆やすい。
Carry-me DSでは、貫通ボルトの頭がスピードドライブの真後ろなので工具は入らない。
左側のボルトのみで5mmアーレンキーを使って締め付ける。
また、ネジの緩みというよりも設計不良の可能性は高いが、走行距離が伸びるとフロントホイールハブにスラストガタが発生する。
当初3mmほどもガタが発生し、新しいホイールに交換していただいた経緯がある。
ガタがないことを確認した新しいホイールだったが、先日メンテナンスしたところ、1mm程度のスラストガタが生じていた。
分解して原因を調査したところ、どうも左右のシールドベアリングのインナーレースを支えるスリーブが長すぎるか、シールドベアリングのアウターレースを収める穴が深すぎるのかで、シールドベアリングに対してホイールがスラスト方向に動くようになってしまっていた。
ハブはホイールと一体のアルミ製。
左右からシールドベアリングを填め入れる座繰り加工がされている。
中空のハブシャフト中央にベアリングのインナーレースを支えるスリーブが入り、ホイール軸にシャフトを収め左右からベアリングでホイールを挟み込む構造だ。
両側からワッシャを入れて、ベアリングのインナーレースを17mmのダブルナットで左右から押してベアリングを固定する。
取り敢えず17mmのダブルナットを増し締めしたところ、スラストガタは0.3mm程度に収まった。
しかし、元々ガタは無かった箇所だ。インナーレースを支えるスリーブの長さをヤスリで短くするといった処置が必要なのかも知れない。
4.携行品
ラダー状のシートステーにシーコンのサドルバッグを付け、その中に左の画像にあるツールを入れている。
・携帯用工具セット(2,3,4,5,6,8mm アーレンキー、プラス/マイナスドライバ)
・13mm,15mm コンビネーション薄口スパナ…後輪アクセルナット用
・10mm,12mm コンビネーション薄口スパナ…チェンテンショナ用
・タイヤレバー 2本
・イージーパッチ
・70Lビニル袋 2枚
・ベルクロ付き伸縮バンド
尚、ポンプはシートポストに仕込まれている。
コンパクトに折り畳めて輪行できる自転車なので、トラブルがあったら公共交通機関などを使って帰宅するのが基本。
とは言え、パンク修理やネジの増し締め程度の装備は持っているに越したことはない。
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