小径車への憧憬
自転車に乗り出した切っ掛けが極小径車だったこともあって、自動車に乗せて持ち運びするのに便利なミニベロには関心がある。
いつの間にか自転車でそれなりの距離を走ることに抵抗は無くなったから、電車やバスへ手軽に持ち込めるほどの携行性は必要と思えなくなってしまった。
むしろ、それなりの速度で楽しく移動できることの方が重要。自転車散歩ではなく、サイクリングを満喫したい。移動しているだけじゃないかと言われそうだけどさ(笑)。
2004年のハンドメイドバイシクルショーに今野製作所が出品した17インチ固定ギヤのロードレーサー“mini-1 Racer”があまりに理想形に近いミニベロだったので、実車を見に町田のケルビムまで行ってみた。
ちょっと迷ったけど淵野辺方向で根岸交差点の近くって記憶があったので、下根岸交差点角のショップになんとか到着。
今野さんがいらして、いろいろ説明して下さった。
ケルビムの場合、700Cのフレーム標準重量は1.2kgで、軽量化に関して言えばフレームチューブが長くなる小径車は不利になると、はじめに説明された。
また、小径車は完成車形態での前後長が短くなるのがメリットなので、その特徴を活かしたスケルトンにしているらしい。
そのため一般的な小径車と比べ、ケルビムのそれはホイールベースが短い。この形態で小径レースになれば、常にモールトンよりも速いとのこと。
ケルビムの小径車は前後長が短いので、ホイールを外したりしなくても輪行バッグに入る様だ。それが魅力で、小径車を作るならケルビムのフレームをオーダーしたいと考えた。
Mini-1は17インチホイールを前提に設計されている。しかしタイヤの選択肢が少ないため、20インチの方がお薦めとのことだった。
Mini-1を20インチ用で作ることも可能で、20インチならばカーボンフォークも使えるそうだ。但し、カーボンフォークではストレートフォークが選べないので、デザインは随分違ったものになるだろう。
Mini-1のエンドにはテンショナーがなく、ボトムブラケットがエキセントリックになっていてチェーンのテンション調整を行う。デザイン的にはすっきりしてるけど、軽量化には不利な構造だと思う。
モノタイプのシートステイに取り付け穴があり、展示車はキャップで塞がっていたがそこへブレーキキャリパーを付けられる。その場合、トップチューブにアウター受けを付けるとケーブル配索が煩雑に見えてプロポーションが崩れることを懸念すると、チェーンステイブリッジにキャリパープレーキを付ける仕様は可能で、アンダーチューブにブレーキアウター受けを付ければそれほど煩雑にならない。
右の写真のフレームは20インチのCR(コンパクトロード)で、シートステイがモノステイになっている試作品。
まだスケルトンが煮詰まっていないと仰っていたが、多段化するならこのフレームをオーダーしたいな。
また、ある部品の話をしたら、持っているから5千円で売っても良いよって…。でも、やっぱり惜しいか(笑)って感じだったけど、探しておくから次に遊びに来たときにまた言ってよってことだったから、譲って貰えるかなぁ…。
Mini-1を写真の状態の完成車で作ると、35万ほどだそうだ。HEDに特注する17インチホイールが特に高いとのこと。
フレームだけオーダーして、後は和田サイクルさんで誂えて、自分で組むのが一番かな。
ケルビム“FT”フィクスト通勤の説明もしてくださった。フロントディレイラーは実際に機能して、フロントインナーへ落とすことができる。しかし、あくまでも登坂時のエマージェンシー用で、フロントインナーへ入れた状態でバック踏むとテンショナーが負けてしまう。そのため、常に正回転方向へトルクをかけていなければならない制約がある。
ロールのギヤ比が42×16では高すぎるから、40×16にした方が良いよとも指摘された。このギヤ比なら、チェーン1コマ落とすだけでリアシャフトの位置は変わらないだろうからとのこと。
ちなみに、ケルビムの固定ギヤ車は39×16を標準としている由。
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上の写真は今野さんがお乗りの自転車で、逆回転クランクになっている。
以前に小径のBD-1を逆回転にして何かのレースで優勝された方がいらしたけど、逆回転クランクはなかなか調子良いそうだ。
いつの間にか日が傾いていた。秋の日はつるべ落とし。鎌倉街道から関戸橋を渡る頃には灯火が必要なほど。
ちょっとだけ多摩川CRを走り、すっかり暗くなってから桃井の和田サイクルさんへ。
一昨日の刃傷沙汰は大変な騒ぎだったそうで、青梅街道が大渋滞になったとのこと。
TITANIOのシフトケーブルアウターやチューブラータイヤを買おうと伺ったが、Rallyの在庫が無く残念。アウターは完成車外しの傷がある品だからとロハでくださった。いつもいつもありがとうございます。
白いサドルが欲しかったのだが、どれも1万円超えで断念。ロールのバーテープを買うつもりだったけど、いろいろと話していたら忘れちゃった。
三洋の電動アシスト自転車の前輪が転がっていたので、また電動アシスト?
すると、20インチのMV-1を電動アシスト化する依頼のためのパーツとのこと。フロントエンドが135mmなので、フォークは特注しているそうだ。
面倒な改造ばかりだけど、なかなか断れないんだよな。とこぼしておられたが、本当にいい人なんですよね。
相変わらずお忙しいそうで、改造は平均3週間待ちなようです。
Dist 79.07km、Time 3:24:08、Ave 23.2km/h、Max 53.1km/h
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