LinkStationの修理
PCを起動させると、2つのネットワークドライブにアクセスしない。
LinkStationをファイル&プリンターサーバーとして利用している。
小型かつ高速、大容量で低価格、しかも低騒音。USB2.0でHDDを拡張できるしプリンターサーバーにもなって、NAS(Network Attached Storage)の定番とも言えるヒット商品だね。
メルコ(現バッファロー)は似非メーカーと馬鹿にしていたが、AirStationシリーズは特にバランスの良い商品群を送り出していて好感を持っている。
OEM元メーカーとの窓口になっている担当者が、余程優秀なのだろう。
さて、プレイルームに設置したLinkStationを見に行くと、電源が落ちていた。
起動させても、すぐにシャットダウンモードへ移行してしまう。
二ヶ月ほど前から内蔵ファンの異音が顕著だったから、とうとうファンが回らなくなってしまったのだろう。
ラックからLinkStationを取り出し、分解した。
尚、分解手順はこちら(「LinkStation/玄箱 をハックしよう」より)を参照している。
わが家のLinkStationには、ADDA社製AD0412LX-G76が内蔵されていた。
40mm×40mm×10mmサイズで、DC12V/0.08A。制御信号付きのファンで、単品で購入すると小売店では千円ほどもする高価なものらしい。
かつて、こちら(「今日の必ずトクする一言」より)で拝見した記事を思い出し、グリスアップで凌ぐことにした。
AD0412LX-G76のグリーンの銘板シールを剥がせば、軸受けの抜け止めになっている樹脂製のC型止め環が見える。
精密ドライバーとピンセットを使って壊さないように取り除き、ブレードを割り箸などで押してやれば、ブラシレスDCモーターのローターと一体化したブレードが抜ける。
その時、C型止め環の下になっていた平ワッシャ、Oリング、更に平ワッシャの順に挿入されている部品も紛失、破損させないように注意。
AD0412LX-G76はメタル軸受けになっている。
本来ならCRC5-56などで洗浄すべきだが、オイルミストが飛び散るのを嫌って、ローター軸にティシューペーパーでムースタイプのグリスを塗布し、軸受けとの馴染みを何度か確認してから組み付け直した。
銘板はダストシールを兼ねていたが、粘着力が低下しているため適当なシールで代用。
電源を入れてみると、購入当初の如くとても静かにファンが回りだした。
LinkStation本来の形状に戻し、再結線して起動させると、今度は問題なく動作。
ここ数ヶ月の異音もなくなって、一件落着。
とは言え、同規格のベアリングファンを見つけたら、交換用にキープしたいと思っている。
-追記(2006年2月1日)-
ムースタイプのグリスでは二週間で異音が再発してしまった。
自転車で使っているシマノのDURA-ACEグリスを塗布し直し、その後は異音も無く安定している。
LinkStationは常時通電せずに内蔵タイマーで夜間停止させている。USB2で増設したHDDをタイマー連動させられないため、そちらは常時通電。
(実際には増設したHDDのUSB電源連動機能を使って停止連動は可能だ。しかし、LinkStationが起動時に増設したHDDを見失ってしまう。タイマー起動時に電源が入った後、ブートを遅延する機能があれば解決する問題なんだけどね…)
室温零度以下の状態で起動することもあったと思うが、グリスの粘性抵抗でファンが回らないといった不具合も出ていない。
しかし、このためだけにDURA-ACEグリスってのは高価すぎる。
「今日の必ずトクする一言」で推奨のモリブデングリスなら、グリスガンカートリッジ用で100円ほどだろう。
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