VWゴルフトゥーラン 3000km
フォルクスワーゲンのゴルフトゥーラン GLiは、納車から2ヶ月で3千キロとなった。
試乗時に感じた通り、素晴らしいスタビリティと必要充分以上のパワーに満足している。
山坂道を比較的高い速度の走りを堪能しても、同乗者である家族はまったく恐怖を感じないそうだ。
不快な振動やうねりの発生も無く、車の仕様のために危険を感じる場面はアクセルの二度踏み時のもたつき以外に無い。(って、これは何とかならないものか…)
以下、細かいことばかりだが、納車後の印象&情報をまとめておく。
エクステリア
ダイビングブルー色特有の問題かも知れないが、塗面が弱い。
衝撃を受けると、カラー層は剥離してしまう様だ。亀裂ができ剥落する。
水性塗料を採用しているためかも知れないが、硬いものを塗面に当てないように注意したい。
尤も、鋼板には総亜鉛メッキが施されてるので、防錆はしっかりしていると思われる。
ルーフのプレスラインのデザインが悪いようで、ドア開閉時に雨水が室内へ流れ込みやすい。
今のところ一度だけの被害だが、雨天駐車時に乗り込む際は、ルーフ上の水の溜まり具合を見て、必要に応じて水を払うなどした方がいいだろう。
後席スライドドアでは無いことには慣れたが、不便になったのは言うまでもない。
駐車スペースに収めてからの乗降車は難しくなったし、ドアへのアプローチも制限されるようになった。
前ヒンジドアの安全性は評価できるが、チャイルドロックの習慣を身につけていればスライドドアが安全性に劣るものでも無い。事故時の開閉性能は駄目だろうけどね。
小さい子供がいる家庭で、後部スライドドア車からの乗り換えだと、不便を痛感するかも知れない。
前席ドアは3カ所にラッチがあって開度を3種類選べるが、後席ドアは2カ所しかラッチが無い。
スライドドア化は無理でも、後席も三段階は開度を選べるようにして欲しいな。
エクステリアデザインは気に入っている。
ディーラーオプションのマッドガードが長すぎるのは不便だが。
高原の道路をとばしてると、偶に摺ってしまうんだよね…。
インテリア
試乗時は煩雑だと思っていたマルチファンクションディスプレイ(MFD)にも慣れた。
操作性が非常によろしいので、便利に活用している。
ウェストラインより上に採用されているアイボリーの内装は汚れやすい。
樹脂部は静電気で黒ずむし、布の部分は汚れが染み込みやすい。
油汚れを付けないよう、ちょっとだけ注意が必要だ。
特に整備や機器の取り付けなどを業者へ依頼する際は、注意勧告すべきだろう。
布の部分などは、油汚れが付くと掃除が厄介な感じだ。
ウインカーとワイパーレバーが日本車と逆なのは輸入車の特徴である。
本来、右ハンドル車は右にウインカーレバーとすべき。なぜなら、変速レバー(シフター)が左にある以上、同時操作ができなくなる。
ウインカーとワイパーレバーを入れ替えないのは、外国メーカーの怠慢に他ならない。
日本のメーカーの左ハンドル車は、ちゃんと左ウインカーへローカライズしている。エンジンもサスペンションも装備まで、輸出国の嗜好に合わせて作り替えてるね。品質も性能も高く、選ばれるのは当然だろうと思う。
さて、オートマチック車のトゥーランでは、右ハンドル左ウィンカーでも致命的な不便とは思わない。
しかし、サイドブレーキレバーの位置は問題だ。助手席側にオフセットされてしまっている。
そのため、サイドブレーキ操作時にレバーで助手席に乗ったみーちゃん氏の手を挟んでしまうことが度々起こっている…。
シートに肘掛けでもあれば、ちょうど良いガードになったのかも知れないが。
ちなみに、BMWもウィンカーレバーのローカライズはしていないが、サイドブレーキレバーはちゃんと右側へオフセットし直しているね。
シートはとても気に入っている。ホールドも良いし、滑らないし、疲れない。
長時間座っていても、座り直すことが殆ど無い。
しかし、ドライビングシートであってリクライニングシートでは無い。それはすべての席に言えて、くつろぐ空間では無く、移動するための乗り物としての安全性と快適性を重視した仕様だ。
ちょっと疲れたから車内で一休みって、運転席をワンタッチでリクライニングさせることはできない。
車の中で遊ぶなど、移動手段以外の用途を想定したインテリアではない。
わが家の車に対する要求にはピッタリだが、車内もリビングの様な空間にしたい向きにはまったく合っていないだろう。
ラゲッジスペース
取り外し可能な2列目シートだが、まだ外したことはない。
横幅が広いので、チャイルドシートとジュニアシートを置いても大人が一人余裕で座れる。
モビリオではジュニアシートを使うと、大人がもう一人座ることができなかった。
暫くチャイルドシート1座にジュニアシート2座というレイアウトで2列目シートを使うことになりそうで、それら補助シートを問題なく配置できるトゥーランの2列目シートは気に入っている。
写真左は3列目シート格納時のトランクスペース。
トノカバーは取り外しが面倒で、今後も使う予定は無い。
AB兼用のベビーカーを、3列目席の手すりを利用してベルト固定している。
ラゲッジの高さはギリギリ。A型ベビーカーは縦に置けないかも知れない。
また、トランク天井中央はハイマウントストップランプの膨らみで低くなっている。
写真右は2列目席のレッグスペース。
これでも後方へ一番引き下げた状態だ。
FF車でありながら、センタートンネルの様な膨らみがある。
シートスライド用の大きなレバーもあって、レッグスペースは狭い。
モビリオはこの部分がフラットでシートスライド量も大きかったから、レッグスペースはかなり広くとることができた。
お陰でHANDYBIKEやZEROBIKEは、ペダルを折り畳みさえすればこのスペースにそのまま置けた。
トゥーランではそれができず、トランクスペースへ放り込まねばならない。
トゥーランは小物収納のスペースが多いのも売りになっているが、前席天井中央の小物入れはボクにとっては邪魔なだけだな。
後席用ディスプレイやソリッドオーディオ、ETCなんかを仕込むスペースには丁度良いと思うけどね。
ボトルホルダーは万国共通サイズと言えるけど、ティッシューボックスがすっぽり入るスペースとか無い。
この辺りはお国柄が現れるトコだから、輸入車には期待しても仕方がないかも知れない。
とは言え、ドリンクホルダーも含めたオープンポケットの底には滑り止めが施されているなど、使い勝手にも配慮されているのは国産車以上だと感じる。
ドライブフィール
粘り強く追随性の良いサスペンションのお陰で、ワイディングロードを高速で駆け抜けて行ける。
ボク程度の動体視力レベルの人間が感じる高速域なら、恐怖を感じる場面はまず無い。
アップダウンとワインディングの複合にも的確にサスペンションが働いて、思ったラインを気持ちよくトレースできる。
GLiのエンジン音は、窓を閉めた状態では随分控えめな音量で、回転が上がって音が大きくなっても、とても心地よいサウンドに聞こえる。音量は小さいながら、ちょっとF1っぽい音色なのだ。
ところが、窓を開けた状態で聞こえるエンジン音は、ギュギャーンって感じの格好良いとは思えないもの。
窓を閉めた状態で快適かつ、スポーツドライビング時にドライバーを酔わせるサウンドへ防音チューニングされているね。
人に聞かせることは、考慮の対象外ってコトでもあるらしい。
ドライブフィールとは異なるが、後席ドアの窓だけを開けて走行すると、40km/h近辺以上で室内の空気が渦巻く様で、振動と酷い気圧の擾乱が発生する。
トノカバーを使っていないのも、ちょっとは影響してるかも知れない。
前席窓も同時に開ければ問題は無いが、高速走行時に後席窓だけを開けられると危険に感じた。
リアドアのウィンドウロックは必須としている。
わが家の使い方では、エンジンパワーは充分過ぎる。
1.5t超の車重を嫌って2000ccのGLiを選んだが、1600ccのEでよかったのでは?と思えるほどだ。
一所懸命回ってるエンジンって好きだから、余裕ぶっこいた様に感じるGLiの走りは、あまりボクのスタイルに合わないかも?(笑)だ。
アクセル2度踏みした時に、イメージ通りエンジン回転が上がらないのは困ったトコ。
フライ・バイ・ワイヤ(従来のワイヤー引き式と異なり、アクセルペダルに角度センサが仕込まれていて、入力角度が電気信号でアクセルに伝達され、モータでアクセル開度が変わる方式)で、更にリニアリティなどを電子制御していること、そして直噴エンジンはレスポンスがやや劣るという特徴もあって、アクセル2度踏み時のレスポンシビリティが特に低いかも知れないとディーラーは語っている。
念のためメーカーへ問い合わせしてくれることになっているが、改善は難しいだろう。
試乗時に感じたエンジンブレーキの効きの悪さは、全体的なポテンシャルから考えると想定されているクルージング速度が高いため、ギヤ比の高いのは仕方無いものと実感できるようになった。
ってか、あまりにスタビリティが高いために余裕ある走りができ、自然に巡航速度は上がって行くのだ…。
ある意味、漫然と走らせるのはかなり危険な車だね(笑)。
ちなみに、スポーツモード(ポジション)にすれば、積極的にエンジンブレーキを使うシフトスケジュールになる。
その他
通算燃費は10.2km/l。
信号が少なくアップダウンも少ない田舎道が13km/l、平日の都内の下街道が7~8km/l、高速燃費は12km/l程度ってトコ。
初期型のFFモビリオよりも8%は良いかな?巡航速度も10%以上向上したと思う。
走行距離あたりのガソリン代はレギュラー仕様のモビリオとほとんど変わらないが、ついつい距離乗りたくなるトゥーランは燃料代でお財布が軽くなる。
運転することによる疲労度は、非常に小さい車だと思う。
スリルやストレスも少しは求めたいという欲求に対しては、サーキットなどへ持ち込まないと難しいかも知れない。
しかし、1600ccのEモデルなら、GLiよりもストレスの悦びが大きいと思われる。
その辺り、GLiを選んだことをちょこっと後悔している(苦笑)。
心配していたマイナートラブルだが、助手席ランバーサポートダイヤルの脱落以外、目立ったものは無い。
異音トラブルはあるが、暖かくなって再現していないので、冬まで様子見中。
右ワイパーの拭き残しは、次回点検時に一度調整してもらう予定。
元々左ハンドル仕様のままな為に拭き残し領域が大きいが、支点のコマをずらして少しは調整可能かも知れないそうだ。
チャイルドシートは悪名高いアップリカのマシュマロサブ。リコール対策された更に1年前の旧いモデルだが、意外にしっかり装着できているので継続使用中。
サイドベッドスタイルでは絶対使わないが、後ろ向きでの保持も悪くない。
固定も古くさい2点式で、シートリクライニングを利用して押さえ付けることで、チャイルドシートを激しく揺らしても弛むこともなく、ISOFIXに負けないくらい強固に固定されている。
尤も、台座からもげてしまえば意味無いのだが…。そこまでは確認できない。
ジュニアシートはVOLVO純正のバックレスト付きブースタークッション。
超軽量なのと可愛いデザインが気に入っている。
数年前に布地模様が変わってしまったので、旧いモデルを2脚確保済み。
モビリオ以来、長女H氏は2年以上利用しているが、乗り心地には満足している様だ。
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