DMC-FZ2で星を撮る その2
以前、DMC-FZ2で星を撮るための方法をぬるく検証した(笑)。
先日、マックホルツ彗星を撮るために、改めて検討しなおしてみたので紹介する。
AE設定:S(シャッタースピード優先) 2.5秒
露出補正:+2EV
・ホワイトバランスAUTO
・記録画素数1600
・クオリティ最高
・スポットモードOFF
・ISO感度100
・AF連動動作OFF
・AF駆動FOCUS
・手ぶれ補正OFF
FZ2で太陽と月以外の星を撮る場合、上記の設定が最も成功しやすいと思われる。
FZ2はマニュアル露出設定できないので、シャッタースピードと絞り値を任意に組み合わせて利用できない。
1秒を超えるロングシャッターはシャッタースピード優先モードで設定できるが、「ISO感度」、「露出補正」の設定値によって、利用できる絞り値が変わる。
開放絞りF2.8が利用できる最長シャッタースピードは、上記設定からISO感度を50とした場合である。4秒のロングシャッターが利用できることを前回紹介した。
4秒を超えるシャッターも設定出来るが、すると絞り値が大きくなって、結果的に集光量が減少するし、日周運動の影響もより受けることになる。
感度はISO50の設定の時に、ノイズが最小となる。しかし、ISO100でもノイズはそれほど増えることが無く、2.5秒のシャッタースピードまで開放絞りで撮影できる。
ISO50で4秒のシャッターよりも有利と思われ、実際に良い結果となった。
右上の写真は、オリオン座のM42付近を約300mm(35mm換算)相等の望遠で撮影したもの。
オリジナルはこちら(リサイズ)で、作例はフォトレタッチソフトの自動レベル補正機能を使用して増感している。
FZ2にはマニュアルフォーカスが無いため、ピントはフォーカスボタンを使って遠くの街灯などに合焦させて置きピンする。
そもそもFZシリーズには無限遠の設定がないので、致し方ない。
また、ファインダーは液晶画面か電子ビューファインダーしかないが、どちらも星をフレーミングするには表示性能が低すぎて使い物にならない。
照準器を自作するのが適当だが、今回は勘で位置合わせして撮影し、その場で結果をみながら微調整して再撮影するという手順でフレーミングした。
ところで、M42はオリオン座大星雲とも呼ばれ、図鑑や愛好家の写真などでは鮮やかなピンクとブルーのグラデーションが美しい有名な星雲。
しかし、作例では赤系の色が写っていない。(画面全体に及ぶ無数の赤い点は、カメラのノイズ)
CCDは赤外線域に高い感度があり、撮影結果を人間の可視光に合わせるため近赤外線以上をフィルターでカットオフしているのが原因。
650nm辺りを超える長い周波数の光は通さないフィルターがデジカメに内蔵されている。
そのため、星以外の撮影でも、紫色の花が青味を増して写ったりする弊害もある。
尤も、星を撮影する場合は悪いことばかりでもない様で、人工光が大気中の塵に乱反射して夜空が明るくなる光害と呼ばれる現象に効果があるとのことだ。
光害の周波数成分は700nm~1000nmがほとんどだそうで、これらは赤外線フィルターでカットオフされるという次第。
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