昆虫食 その2
昨日のブログ書いてて思い出したことをつらつらと。
蚕の蛹。カイコガの蛹は、昭和50年代半ばには食卓に並ばなくなって久しい。
海外の安いシルクに押されて、国内の絹糸生産が衰退したのと関係している。
絹糸は製糸会社で蚕の繭から紡がれる。
蚕の繭は、カイコガの幼虫が蛹となって羽化するために作る玉子の殻のようなもの。幼虫が吐き出した繭糸が積層されてできている。
養蚕農家はカイコガの卵から幼虫を孵らせ、繭を作るまで幼虫を飼育する。繭ができると採取して、毛羽をとって出荷する。
カイコガの幼虫は桑の葉を主食とする。そのため、畑に桑を栽培していた。
昨日、カミキリムシの幼虫を食べると書いた。ゴトウムシやテッポウムシと呼称されるカミキリムシの幼虫は、木の幹を食い荒らし潜り込んで変態する。
桑の木も好んで食べるため、養蚕家にとって害虫である。
同じ甲虫でも、カブトムシやクワガタムシなどの幼虫は食べず、カミキリムシの幼虫を食べる習慣がある(もしくは残った)のは、こういった事情も関係しているかも知れないね。
さて、養蚕農家が出荷する繭の中には蛹が入っている。
繭から生糸をほぐすことを解舒(かいじょ)と言い、解舒のし易さと採れる糸の量で繭の価値が決まるそうだ。
解舒には製糸会社のノウハウが多々あるのだろうが、基本は煮沸。
そんな訳で、解舒後には茹で上がった蛹が残る。当時は、これが食料品店に並んでた次第。
カイコガの蛹は、『ヒビ』と呼称されていた。甘く煮付けて食すのだが、独特の薬品臭があって大嫌いだった。
もしかしたら、解舒しやすい様に熱湯へ加えられた、何らかの薬品臭だったのかも知れない。
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