恋恋蓮歩の演習 A Sea of Deceits
Vシリーズ第6作が文庫落ちしたことを知らなくて、昨日あわてて買って来た(笑)。
森ミステリーは、とても合理的に構築されているので、犯人探しはかなり楽。
登場人物は頭脳明晰な面々で、行動原理がかなり明確である場合が多い。
従って、トリックや動機を探ることに注意が向く。
とてもレトリックに優れていて、かなりミスリードされる傾向。
確信していた答えも、物語が進むほどに不安感が募ることもしばしば。
読了後、自分が辿った思考は、作者の意図した通りだったのでは?と感じる事が多く、そこが堪らないのかも?
ボクにとってはとても読みやすい文体で、読み始めればあっという間に読了させられる。
森作品はとてもビジュアルで、読み進むにつれ情景が鮮明な映像として脳裏に浮かぶ。
困ったことに、言葉でしか伝えられないが為に成立していたトリックも、脳内で映像化されてトリックにならないことがあったりして…(苦笑)。
尚、「暗闇でラップトップPCのディスプレイ照明を使わない不思議」的非合理な箇所があり、気になった。
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